なぜヒトだけが幸せになれないのか (講談社現代新書 2771) 新書 – 2025/4/24 小林 武彦 (著)
以前読んだ「なぜヒトだけが老いるのか」が興味深かった小林先生の最新刊。生物学的な視点から幸せとは何か?に切り込んだ本です。 まず 生物学的な価値観から「幸せ」を「死からの距離が保てている状態」と定義し、そこからヒトが幸せになれない理由を読み解きます。 ヒトに特有の「遺伝子と環境の不適合(ミスマッチ)」が、幸せを感じにくくしている主要な原因の一つであると指摘しています。かつては共感力や利他性がヒトの生存に有利に働いたものの、定住化による格差の発生や、急激な環境変化に遺伝子が追いつかない現状が描かれています。 ここが人間として少し悲しいところでもあるのですがテクノロジーの発展や物質的な豊かさが、必ずしも幸せに繋がらないという見解でむしろ、便利さが死との距離を見えなくし、かえって幸せを感じにくくしている可能性があると指摘しています。 小林先生は、幸せになるための具体的な行動として、「少し動く」「分け合う」「頼る」といった提案をしています。体を動かし、コミュニティに関わり、ため込まずに循環させることで、遺伝子が「安全圏」と判断し、心が軽くなるのでは、とのことです。 死との距離感という意味で日常で危険にさらされなくなった分よりあえて死が近くなるような行動として危険なスポーツをしたり、人間の限界に挑んだりということにあえて挑んで生還することでその際の幸福感が倍増するというのはあるのかなとは思いました。人によってその限界点的なものは違うのでしょうがあえて危険なものに挑戦したくなるのはこういったところからきているのかもしれません。自分もトライアスロンなどなんでお金払って辛いことするのか不思議がられますが‥‥ 幸福感を得るためという説明が一つできるように思います。



