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進化する進化論


昨日の雨から一転し、今日は快晴。絶好の自転車日和の中を二之瀬ヒルクライムへ。今日はものすごいサイクリストの数で30人ぐらいとすれ違う。サポートカー付きの集団もあったのでチームでのぼりに来ている人も多かった様子。峠で折り返して下っていく人が多かったのでおそらくは愛知県方面の人がほとんどかと。
確かに距離としては練習にはちょうど良い距離かと思いますがさびしい峠というイメージでした。ここまで自転車人口が増えるというのはどこかで取り上げられたのか?

新・進化論が変わる (ブルーバックス)
佐川 峻,中原 英臣
講談社

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日本人にとって進化論は常識といっても差し支えないことだと思いますがキリスト教の信仰の厚いアメリカでは人間は神ゼウスの作ったアダムとイブの子孫であり他の動物や植物とはまったくルーツの異なる特別な存在だと信じられているとのことで未だに半数の人が進化論を信じていないというのは驚きです。

この本では生物の歴史に大きなパラダイムシフトをもたらした進化論の歴史とルーツを探った上でヒトゲノムの解析により従来、解剖学や化石といった見地から進められてきた研究を塗り替える進化論の進化が解説されてます。
進化論では従来、突然変異と自然淘汰を進化の原動力と見てきたのですがそれよりもゲノムやウイルスの果たす役割が大きいということが指摘されています。

進化というのは長い歴史の中で見ればまるで一瞬で起こっているように感じます。
おそらく生きている間に自分たちの大きな「進化」は見ることは無くむしろ実生活で感じるのは体力の「退化」の方なのかもしれませんが自分たちも技術や知識のの習得で「進化」する喜びは味わうことが出来ます。自分たちがどこからやってきたかと考えるのはロマンのあることだと感じます。

◆人とチンパンジー
 人とチンパンジーの分かれ目は490万年前、遺伝子全体で言うと1.23パーセントの違いしかない。がこの中でも人との違いを分ける意味のある塩基配列の違いで言うと0.9%しかない。

◆遺伝子の設計図変更はウイルスの仕業?
人の遺伝子にはジャンクと呼ばれる意味を持っていない塩基配列が多く7割を占めている。このジャンクの半分がレトロトランスポゾンといわれる遺伝子上を移動できる塩基配列でDNA⇒RNA⇒DNAの転写を行うウイルスとしての役割がある。
前述のチンパンジーとの違いもレトロトランスポゾンを介して生じた違いであることが判明している。

◆バクテリアとの共通点
 脳内の神経伝達物質であるセロトニンを分解する酵素は大腸菌や結核菌といったバクテリアの持つ遺伝子と酷似しており、これは脊椎動物共通の特徴である。一方で植物や昆虫といった真核生物には見られていないことから進化の過程で一回捨てられた遺伝子が真核生物から脊椎動物に進化する際に再び平行移動して組み込まれたものと推測される。

◆ゲノムで明らかになる日本人の起源
 B型肝炎のウイルスの型を調べることにより西日本から中部では中国北部、韓国に多いC型、沖縄、奄美、北海道。東北では台湾、インドネシアに多いB型が多数を占める。このことから日本人は南方からやってきたB型をもつ縄文人が先住しその後、朝鮮半島からC型を持つ弥生人が押し寄せて勢力を拡大して言ったと推測される。
 白血病の一種にATL成人T細胞があるがこのウイルスの分布を調べると北海道や沖縄、紀伊半島の先端や五島列島など縄文人が弥生人に追いやられたと思われる場所で多く分布しており、ATLウイルスは縄文人がルーツであったことが分かる。
 酒豪遺伝子といわれるALDH遺伝子の分布でもアルコールに強いⅠ型は福岡、秋田、岩手、鹿児島に多く分布していて、弱いⅡ型は岐阜、愛知、石川、三重に分布している。このことから縄文人はどちらかというとお酒に強く、弥生人は弱かったものと推測される。

◆進化論の論点
 1.進化は能動的か受動的か
   突然変異により生じた個体が自然淘汰されるというプロセスは
   薬剤耐性を持ったウイルスの増殖のスピードには相容れないものであり
   必ずしも受動的な結果だけで決まるものではない
 2.進化は競争で生じるか、強調の結果なのか
  生物の中では棲み分けが見られることも多い。
 3.進化は偶発的か、必然的か
  小さな突然変異が起こった結果大きな進化をもたらしたという事実は見つかっておらず、突然変異は通常不利な方向に転んでしまうことが多い。
 4.進化は連続的か不連続か
  すべてが偶発的だとすると進化の方向性がどのように生じているのかが問題になる。
 5.進化の主体は何か
  個体がどれだけ進化すれば新しい種になるかという質問には答えられない。 
  個体や種でなく遺伝子の生存本能やウイルス等による組み換えが進化をもたらしているという客観事実がそろいつつある。

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

2 Comments on “進化する進化論

  1. 進化論150周年
    進化論の論点は、色々と気になる所がありますね。
    何だか簡単に二元論で捉えられるような気がしないのです。
    たぶん言葉の定義の問題なのかもですが。

    …にしても、進化論はキリスト教からは黙認されているとも
    何かで読んだ事があります。
    進化論は「生命の起源」までは触れていなかったため、
    聖書を根本的に否定するような内容ではないとあったと思います。

    …にしても、今年はダーウィン生誕200周年で、
    進化論が提出されてから150周年とのこと。
    こういった本がどんどん出版されて
    「進化」というテーマが更に盛り上がるかも知れませんね。

  2. 知らなかったけど
    進化論150周年ですか~
    それにキリスト教から認知されているとの話、知りませんでした。

    これだけ論争が起こるというのは逆に進化論には正しいところもあるし、不十分なところもかなりあるわけでmiuさんの言うように単純な話ではなく様々なモデルが組み合わさって複合的に生物の分化が起こっているのだと思います。
    人間だけでも色々な人がいるのに様々な生き物のことを考えるとまさに驚異の世界ですね。

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