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生きづらさの正体


梅雨らしい日で一日中雨。午前中はSWIMで追い込み、午後は小雨を狙って1時間半ほど走りにいきました。部屋の掃除も敢行し、少しばかりすっきりと。時間の使い方によっては雨も良い気分転換になります。

友だち地獄―「空気を読む」世代のサバイバル (ちくま新書 710)
土井 隆義
筑摩書房

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いまや教室は「地雷原」と例えられるほど人間関係は息苦しいものだといいます。その背景にあるのが誰からも傷つけられたくないし傷つけたくも無いという「優しさ」です。周囲から浮かないように神経を張り詰めて「空気」を読んだり携帯やメールで自分の居場所を確認することによって行き抜けようととしているのが若い世代です。

この本はそんな若い世代のいきづらさといじめやひきこもり、リストカットといった現象の背景を探っています。また自殺に至るまでの30年の月日の離れた2つの日記=「二十歳の原点」高野悦子 「卒業式まで死にません」南条あや で世代間の比較をしています。

この人間関係から自己肯定感を得ているだけに張り詰めた人間関係から逃げることはできないことが苦しさを加速させているように感じられます。そしてひと時、対立が始まってしまうと当人は強烈な絶望感を感じることになるのだと思います。
肯定感を得るために人から見られていたい、認められたいという究極の選択が自殺や犯罪になってしまうのかもしれません。

昔と比較して現代のいじめは立場が入れ替わりやすいということ、無関心層が多いことが特徴のようです。昔のような加害者、被害者の特長によるものというよりはこの張り詰めたグループ内の人間関係の内圧を下げるために存在しているとのこと。

「優しい関係」であり続けるためには自分の個性を消すしかない。しかしながら個性を消してしまうと自分のアイデンティティは無くなってしまい、グループ内での承認は得られても社会的に認められうことは無い。そんなジレンマなのかもしれません。本当はありがままの心で生きたい「純粋さ」を持っているのですが。
本書でも紹介されているミスチルの名もなき詩がそのことをうまく表現しています。「ありがままの心で生きようと願うから/人はまた傷ついてゆく/知らぬ間に築いていた自分らしさの檻の中で/もがいている誰だてそう/僕だってそうなんだ」

仕事術等でも最近ではいかに円滑に人間関係を進めるかというコミュニケーション術やいかによく見せるかというプレゼン能力が主流になり始めているような様子です。本来であれば基礎能力を高めることがレベルの底上げに繋がるはずなのですが。仕事でも特に若い人は社会の中で自分が役割を果たしている、期待されているという実感は持てなくなっているようです。
その理由としては内閉した自分への評価の期待感と周囲からの期待とのギャップ。

この生きづらさとは向き合っていくしかありません。生きづらさを放棄することは人生を放棄することと直結してしまうので大切なのはいかに向き合ってこの困難を人生の一面として楽しんでいけるかということかと思います。

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

2 Comments on “生きづらさの正体

  1. Unknown
    生きづらさという言葉、それだけで現代を象徴していると感じます。

    特に自分達より下の世代、ここ数年の新入社員を見ていると、自分から生きづらさを作っている抜け出せないでいる事を強く感じる。

    具体的には、睡眠薬を常用しているくらい精神的に弱っていたり、特定のグループから抜け出せないでいるが為に情報に偏りがあったり。

    一昔前に教室内で問題になっていた事が
    会社でも起きてきている気がします。

  2. Unknown
    昔よりWebの発達で情報が気軽に入るようになったりインターネットを介したつながりが出来て狭い組織内の関係から抜け出しやすくなったはずなのにその逆のことが起きているような気がしますね。

    昔は選択肢が無いことに悩んでいたのかもしれませんが今はあまりにも選択肢があって色々な情報も手に入りすぎることが逆に悩んでしまう結果につながっているのかなと思います。

    誰が悪いとか社会が悪いとか簡単に片付けられることでは無いですがなんだかやるせない気分になります。

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