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生物と無生物のあいだ

本日から来週月曜までしばし休暇です。出張が伸びなければ9月末~10月くらいの大会に1回ぐらいは出たいと思っていますがまだ未定です。

生物と無生物のあいだ
福岡 伸一
講談社

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この本はタイトルで購入。普通に生活していても生物、無生物というのはなかなか意識することがないです。分子生物学の研究者である筆者が自身の経験と共に生物とは何かというテーマに沿ってDNA発見の歴史と筆者の研究の最新のネタを解説してくれます。

筆者は博士を取得したあとNY,ロックフェラー大学の研究所、ハーバード大でポスドクを経験していてその時の話がいろいろと興味深かったです。
アカデミック社会の文化、同研究所にいた日本では英雄である野口英世が国際的にはまったく評価されていないこと。 NYとBostonの雰囲気の違い。DNAの構造の発見に伴う暗黒面。 

で本題の生物とは何かというと…
●対のらせん構造をもったいるために自己複製の可能であり
●動的な平衡状態にあって
●時間的に不可逆なシステム

簡単に書いてしまうとこんなになるかと思います。

動的な平衡状態というのはロボットのように静的なパーツを組み合わせて成り立っているのではなくて全体として平均的に方向性が決まっているという状態(秩序がある)ということです。逆に言えばそれが細胞の大きさに対して生物がそれほど大きくなくてはいけない理由だとのこと。

時間的に不可逆というのは生物が生まれた時から無いものに関してはそれが無くとも適応するのに対し、不完全なものを途中から与えられると逆に異常を引き起こしてしまうという例からです。狂牛病のプリオンの例より

機械≠生物を明確に理解できました。
それにしても生物というのはまったく不思議なものです。
パーツで組み合わさっている家電製品というのは部品組み立てまでで見ると確かに時間的に可逆なものですが個々のパーツまで行くとそれぞれは基本的に不可逆な工程から成り立っていると思います。半導体も然り、もちろん順序変更が可能な工程はありますが削ってしまったものを戻したり打ち込んだ不純物原子を取り出すことは出来ません。
ですが動的平衡でも自己複製も不可能とのことでやはり機械の1種なわけです。

これからは有機の材料が注目されていることもあり生物と機械が融合した分野が成長すれば生物≒機械に近づいていけるかも。
 

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

3 Comments on “生物と無生物のあいだ

  1. こんな本があったのですね!
    生物と機械の関連性についてのキーワードですと,
    「サイバネティクス」を思い浮かべてしまいます.
    こちらは「邦題:人間機械論」という本で初めて述べられて,
    人間と機械のアナロジー,
    つまり人間≠機械を述べていた気がします.

    東北大の医学部の先生も,人間機械論の考えを元に,
    臓器移植や人工臓器の話をしていたと思います.
    有機材料の発展と共に,生物≒機械になっていくのがボトムアップ的な考えであるのに対し,
    こちらはトップダウン的な考えですね.

    最近,本は全部図書館で済ませていたので,
    新刊本に目を向けていなかったのですが….
    ぜひ読んでみたくなりました.

  2. そうなんです
    非常に面白い本で一気に読みきってしまいました。
    ぜひ読んでみて下さい。

    人間機械論は読んだ事は無いですね。生態機械工学の授業で佐藤先生とかあたりが言っていた様な記憶がかすかにありますが。機会を見つけて読んでみます。

    集団としての振る舞いを考えるというのは人間の行動でもそうだし。結局、電子を利用したデバイスでもおんなじですね。電流が流れる時だって統計的にそっちに移動している電子が多いというだけですから。なかにはひねくれ物がいるわけで。

  3. 致命的なミスを・・・
    すみません.

    ぼくのコメントに致命的な間違いが・・・.

    誤)人間と機械のアナロジー,
      つまり人間≠機械を述べていた気がします

    正)人間と機械のアナロジー,
      つまり人間≒機械を述べていた気がします

    誠に申し訳ございませんでした…m(__;)m

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