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和解する脳 -ニューロジャスティスの世界-


帰国すると早くも12月中旬。朝の気温もかなり下がってきたようです。

和解する脳
池谷 裕二,鈴木 仁志
講談社

進化しすぎた脳単純な脳、複雑な自分の池谷さんと弁護士である鈴木仁志さんとの対談を記録したものです。脳科学者と弁護士という接点の一見無さそうなところですがテーマは争いの裏側にある脳の働きです。
争うのも脳の働きであるならば和解できるのも脳の恩恵。脳の研究分野としても各部位の働きを突き詰めるのでなくシステムとしてどのように働き社会との相互作用(社会脳)に着目点が移ってきているとのことでこの対談が実現したのもそういった背景があるようです。

人間の感情的な部分である「情」と理性的な部分である「理」、理の中でも再帰できる(物事の連続性を認識できる)、予測というのは人間ならでは能力であるがそのために無限/有限を認識でき、有限である物に対して「争い]が起こる。

多様性はダイバーシティとバライエティの2つがある。ダイバーシティはつながりのある多様性のことだがバライエティは点でばらばらのこと。ダイバーシティの集団では争いを収めようとするのに対しではバライエティだけの世界=インターネット上など 争いが起こりやすい。

人間は帰納(仮説にもとづく推測)が好きで絶対的な演繹法のように正しさは説明されない。裁判も同じであくまで推測と確率の問題になる。特に経験則に左右される部分が大きいので裁判官による判断よりも和解のほうが本質的には望ましい。

判決は「理」への強制なので本質的な解決に至らない。
紛争、裁判では手続きありきではなく、そこまで至ってしまった感情の状態「情」を沈静化させ、冷静にさせることが和解への第一歩となる。その後に「理」による解決を図るのこが望ましい。判決は過去の事例にFocusすること、和解は未来に向かってどのようにしていくか発展的な思考になる。

情を納めるにはまず話を聞き納得し、関係欲求、受容欲求を満たしてやることが必要。たとえ結果がどうであれ紛争から開放されるという相対的な快の状態を形成してやることが必要。

社会人になるとあまり直接的な対決はなくなりますがその分、因縁が絡み、後に残るジメジメとした対立が増えるような気がします。ただ理論だけで理性的な解決を図るのでなく、情までを考えたアプローチが求められそうです。

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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