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くらっとくる眩

  あらすじ…あたしは絵師だ。筆さえ握れば、どこでだって生きていける―。北斎の娘・お栄は、偉大な父の背中を追い、絵の道を志す。好きでもない夫との別れ、病に倒れた父の看病、厄介な甥の尻拭い、そして兄弟子・善次郎へのままならぬ恋情。日々に翻弄され、己の才に歯がゆさを覚えながらも、彼女は自分だけの光と影を見出していく。「江戸のレンブラント」こと葛飾応為、絵に命を燃やした熱き生涯。 
 葛飾北斎の子供の中に絵の才能を引き継いだものがいたといっても何も不思議ではないですが女性だったというのは意外なところでその娘に焦点をあてて書かれた小説です。2017年にはNHKにて宮崎あおいさん主演でドラマ化されたので脚光をあびました。娘のお栄の画号は「葛飾応為(かつしかおうい)」。なんと北斎がお栄を呼ぶ時に「おーい、おーい」と呼んだから、葛飾応為になったという非常に単純な由来。浮世絵が主流のこのころでは珍しい陰影を強調した絵画が残されていますがこの本に出てきたように西洋画を頼まれて書いたりといった経緯もあった様子。 ざっぱな性格でもあったようですがそこらへんが天才肌なのかと思ってしまいました。歴史小説ながらテンポも良く絵の色彩と人生の色彩を重ねてみることのできる物語で並行して描かれる北斎や時太郎の生きざまは完ぺきではない人間の弱さというのを垣間見ることが出来ます。そういった意味では人間臭さがうまく表現されている内容でした。 
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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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