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リバタリアニズム-アメリカを揺るがす自由至上主義 (中公新書) |
| クリエーター情報なし | |
| 中央公論新社 |
リバタリアニズム-アメリカを揺るがす自由至上主義 渡辺 靖 (著)
何かを語るときは物事を2分化してしまうのが非常にわかりやすいもので政治の立場では与党vs野党や革新と保守などわかりやすい対立軸で描かれることが多いように思います。特にアメリカでは2大政党や大統領選挙などどっちか?という枠組みで書かれることが非常に多いように思いますそんなアメリカで若い世代を中心に広がっているというのがリバタリアニズム=自由至上主義。公権力を極限まで排除し、自由の極大化をめざす立場です。リベラルのように人工妊娠中絶、同性婚に賛成し、死刑や軍備増強に反対するが、保守のように社会保障費の増額や銃規制に反対するなど、従来の左右対立の枠組みではとらえきれない立場であるのが特徴だそうです。リバタリアニズムの実情を知るための本としては非常に詳細に取材されていて良い本だとは思います。
その名のように経済的自由を重視し、国内的にも国際的にも市場経済への干渉に強力に反対する点では現代の平等主義的な「リベラリズム」や左翼と対立し、個人的自由を重視し私生活への介入に反対する点で保守主義と対立し、共同体の集団的決定よりも各個人の自己決定を尊重する点というのが特徴。 いままではリベラルは進歩的な立場として知識層に多いというような感覚でしたがもはやそんなことも言えないのでしょう。この本は教授である筆者がわざわざアメリカまで足を運んでジャーナリスト張りの取材をして生の声を集めてきているところで並々ならん情熱を感じます。
確かに管理社会よりも各人が自由を感じてそのうえで自発的に動けるような世界というのが理想であることには変わりないわけですが社会的弱者に対する考え方とか少なからず限界はあるのかとは思いますし、洋上に理想の都市を作ってというような構想も少し行きすぎなような気もしなくはありませんし正直このリバタリアニズムはある程度、倫理観が高い人にあてはまるものかと思うのでメインで世の中を動かすことにならないかもしれませんが新たな潮流として参考になる内容でした。




