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Intelマネジメントの原点

HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメント
クリエーター情報なし
日経BP社

世界最大の半導体メーカーであるインテル。一時期モバイル関連に乗り遅れたように見えましたが2位のサムスンと比較しても依然2倍近い売り上げを誇っており、なお過去最高の業績を更新しつつあります。とくにIoT関連及びデータセンターというこれから伸びる分野できちんと成果を残せて来ているのは言うまでもありません。そんなインテルの3番目の社員であり1979年社長、1987年社長兼CEO、1998年会長兼CEOを務めたのがアンドリュー・S・グローブです。(2016年に79歳にて没)基本グローブは技術者で半導体分野では名教科書である「半導体デバイスの基礎」を著したように半導体の親のような人ではあるのですが技術者上がりのマネジメントでインテルの黄金期を支えてきたというのも事実です。
 そんな技術者上がりのマネジメント、そして半導体という非常に変化の激しい分野でのマネジメントの本ということで非常に参考になる本です。
ただ本著の起源自体は古くて1984年の原著が起源でそれに加筆修正した「インテル経営の秘密」を基に米国で出版されたペーパーブック版を翻訳したものです。ただ原点は84年なのでまさに社長として活躍していた時代のものになります。
そしてそういった経営レベルの話ということでなく最も重要なミドルマネジメントに焦点を当てた本です。
 本書の要点を一言で言ってしまうと
「マネージャーのアウトプットとは、自分の組織のアウトプット+自分の影響下にある全ての組織体のアウトプット」
ということになりそう。さらに構成要素には3つあり1つがマネジメントはアウトプット(成果)志向であるべきという考え方。2つめは、そのアウトプットは個人というよりもチームによって達成される要素が大きく、それが故にマネジメントはチームのアウトプットを増大させる為に何をすべきか、という点。3つめは、チームの構成メンバーが最高の業績遂行活動が導き出された時に、チームは最も機能してその業績を高めるという点です。
つまり配下の組織でいかに個人の能力を最大限に引き出しチームとしての総合力を高めることが重要ということです。
 こう書いてしまうと当たり前のように聞こえますがじゃあどうしていくのかという点についても詳しく触れられています。
業績は能力とモチベーションの掛け合わせで決定されることから業績を上げるには、訓練によって能力を高めることと、モチベーションの曲線を高めることの2つの方法によって業績を高めることが必須であるという考え方が基本でそのためにOJTだけでない訓練=教育もマネージャーの重要な責務であることが強調されています。
 面白いのが卵茹で器で例が出てくる生産工程管理の考え方をマネジャーの仕事にあてはめている点です。
例えば、部下の細部のチェックはごくたまにランダムに実施するようにして、部下が自分の思い通りに動いているのかを確かめるという点でこれは品質保証の考え方では抜き取り検査に相当するものになります。あと工程上のOverHeadにあたる部分を解消させるようにする=ワークの平準化などの考え方もあり、いかにも技術者らしい考え方かと思いました。
 あとは良く生産性の観点で問題となるミーティングに関してもいかに質を高めるかそして人事考課に関しても基本的には完全に納得させることは厳しく、建設的な妥協点を見つけることの重要性が述べられています(まあ完璧な人事考課などは無いということですね)
ということで技術者上がりのマネジメントという観点から考えても参考になる本かと思います。

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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