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アシックス好調を支えるオニツカの遺伝子


夏本番といったところで朝晩すら一息をつく暇を与えてくれない暑さが続きます。
しばらく熱中症に要注意です。

オニツカの遺伝子 (ベースボール・マガジン社新書)
クリエーター情報なし
ベースボールマガジン社

 今のアシックスの前身となったオニツカタイガーにスポットを当て現在に至るまでの経緯を記した社史的な本です。2008年なので少し古い部分はあります。今期に来てアシックスは非常に好調で1-3月期で売上10%増、営業利益27%増。今年は通期で3位のプーマを追い抜くとの予想もあります。(実際にはアンダーアーマーの躍進もありまだ予断は許しませんが)また東京オリンピックのゴールドスポンサーとなるなどまさに日本を代表とするスポーツメーカーでもあります。
 オニツカはその創業者である鬼塚喜八郎の名字。創業自体もスポーツによる青少年の育成を通じて社会の発展に貢献するというのが狙いでもともとはバスケットシューズから販路を広げて言ったとのこと。戦略の中で根底にあったのは選手側の立場に立った視点。いくら赤字になっても本当に良いものを提供するという当然と思われながらも実際にはなかなかできないことだと思うのですがブランドを支える力というのはそういうところにあったのでしょう。戦略として取り上げられているのは頂上作戦と裾野作戦という2つのもの。頂上はTop選手からのFBを得るということ。裾野は地道な行脚で販路を全国に広げていったというのが内容ですが野宿をしながらという壮絶な努力だった様子。この考え方はスポーツで言う瞬発と持久の両極トレーニングに通じるものもあるのではと思います。 今のアシックスの名前になったのは1977年で自分が生まれる少し前のことですが「健全なる精神は健全なる身体にこそ宿るべし (Mens Sana in Corpore Sano)」という創業哲学に即した言葉からMens(才知)をAnima(生命)に置き換え頭文字をとったものですが日本語の足ともつながるようになっているのは不思議なところでうまくつけた名前だと思います。
 今の社長の尾山基さんはこの根本だったオニツカタイガーのブランドを2002年に復活させてファッションの分野でも成功させた人物。自分は”キル・ビル”の劇中にてオニツカタイガーの黄色のTaichiを主演ユマ・サーマンが履いたのが印象的。
 
 自分の親しむマラソンやトライアスロンでもアシックスの地位は絶対的なものがあり、個人的にもロードレースではソーティマジック、マラソンではターサー、トライアスロンではT3、トレイルランではゲルフジと数多くのシューズにお世話になってきました。
この本で紹介されている匠と言われている三村さんは野口みずきさんや高橋尚子さんの靴を作ってきたことでも知られていますが2009年にアシックスを退社。今はadidasのアドバイザーをしており、このブランドでのシューズが好調です。これを見るとやっぱカリスマと言われる人の威力というのはすごいものだと思ってしまいます。
 頂上と裾野。消費者向けの市場ではこの作戦は学ぶべきものが多いのだと思います(特に自転車、自動車とか)そういえばアシックスの方とはエクステラの大会でお知り合いとなり、しばらくシューズモニターをさせてもらっていたことがありました。

 アシックスの課題としてはウエアの方なのでしょう。個人的にはアシックスのウエアは印象が良いですので他のスポーツ、アウトドアブランドのように直営店というのも意外にいいのかもしれません。

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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