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幸福の憲法学 (インターナショナル新書) 新書 – 2025/4/7 木村 草太 (著)
もう習ったのは相当前になってしまった憲法ですが有名な第13条(幸福追求権)について憲法の観点からの幸福の追求について「個人の幸福」という視点から読み解き直した一冊です。この条文を単なる「抽象的な理念」ではなく、私たちが現代社会で直面する生きづらさを解消するための具体的な指針として捉え直していて過去と比べれば平和になったとてとやかく悩みの多い現代に対してタイムリーな本だと感じました。 総合的には憲法を「権力を縛る道具」としてだけでなく、「一人ひとりが幸せになるためのインフラ(基盤)」であり「国家のために個人がある」のではなく、「個人の幸福のために国家や憲法がある」という原点に立ち返ることが必要になるのかと思います。そういった観点では以下の4つがポイントと言えそうです。憲法というのは最高規範ではあるのですがあくまでボトムアップの考え方で捉えるということが必要のようです。
- 「自己決定」を人生の軸に置く :周囲の「当たり前」に合わせるのではなく、自分が納得できる選択を積み重ねる生き方
- 「世間」と「法」を切り離して考える :誰かに迷惑をかけていない(他者の権利を侵害していない)のであれば、世間の顔色を伺って自分を削る必要はない、という割り切り。憲法を「過度な同調圧力から自分を守る防波堤」として活用する生き方
- 「不当な介入」に対して論理的にNOと言う:「嫌なことは嫌」と言える根拠を、わがままではなく「正当な権利」として認識する。
- 他者の幸福に対しても「寛容」であること:自分の正義を他人に押し付けず、多様な幸せの形が共存することを許容する。この「寛容さ」を持つことが、結果的に自分自身が生きやすい社会を作ることにつながる
具体的にどのようなところで憲法が役に立つかというと詳細は下記↓。
- 「自分の名前」や「家族の形」を選ぶとき
第4章(同性婚)や第6章(夫婦別姓)では、家族のあり方を国が決めるのではなく、個人が自律的に選ぶことの重要性が説かれています。 - 「プライバシー」や「個人情報」が脅かされたとき
行政や企業によって自分のデータが不適切に扱われたり、監視されたりすることへの不安を感じた時に憲法を盾に、「自分の情報を自分でコントロールする権利」を主張し、平穏な私生活を確保する支えになります。 - 「良心の自由」が守られないとき
国家や組織が、特定の人物を追悼したり、特定の考えに賛同したりすることを、同調圧力や制度によって暗黙のうちに強いてくるとき。「内心の自由(憲法19条)」を根拠に、自分の信念を曲げずに済む理屈を提供してくれます。 - 「不当なレッテル貼り」から自分を守るとき
第5章(共同親権)や第2章(アルコール依存症と公衆衛生)に関連して、
憲法が定める「平等権(14条)」や「生存権(25条)」、そして「個人の尊重」の理念を知ることで、自分を責めずに、適切な支援や正当な扱いを要求する根拠となる。 - 「おかしい」と感じて声を上げるとき
第7章(人権の位置)では、権利を行使すること
「これは単なる愚痴ではなく、憲法で保障された権利の侵害である」と整理できることで、孤立せずに論理的に異議を申し立てる勇気が持てるようになる。
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