吉岡利貢:中・長距離走パフォーマンスを決定する要因とトレーニング
~国内外エリート選手の事例を交えて〜
10月のトレーニングの科学に掲載された中長距離走のパフォーマンス決定要因の分析を読んでみました。最上位にいる選手とそうでない選手を分けるものとしてVO2 Maxではなくランニングエコノミーと最高走速度が決定要因となっていることを分析されています。この領域に来ると効率がものをいうというのは分かりますが最大速度=スピードが重要な要素になってくるようです。無酸素性能力、そしてスプリント能力(最大筋力、SSC能力)も鍛えないと上には上がれないということでなかなかシビアですが確かに最高速が高ければ持続時間が違うにせよそれより下のレベルで走ることが余裕が生まれるのは確かなのでレースでこのスピードでしか走らないからこれ以上はやらないではなく鍛えていくいく必要はありそうです。(マラソンではどうかというのはまた少し変わるかもしれませんが) トレーニングに関してはノルウェー式(二重閾値法)、ポラライズド型、ピラミッド型の3つの主要なトレーニングタイプが紹介されており(下図)、今はピラミッドに近い形の練習ですが問題は高強度がまともにできていないという点。個人練習では甘えてしまうので大きな課題です。
| トレーニング方法 | 特徴 | 強度配分(目安) | 主な効果/関連性 |
| ノルウェー式 (二重閾値法) | 乳酸性代謝閾値(LT、中強度)付近のトレーニング量を重視する。1日に2回(例:朝ロングインターバル、午後ショートインターバル)LT付近での練習を週3〜4回行う。 | 中強度 (Zone 2) を高比率で行う。 | LT(乳酸性代謝閾値)の向上。(有効性については評価が分かれている) |
| ポラライズド型 (Polarized Training) | 低強度と高強度のトレーニングに集中し、中強度を最小限に抑える。 | 低強度 (Zone 1) 約80%、高強度 (Zone 3) 約20%。中強度 (Zone 2) は最小限。 | 最大酸素摂取量 VO2maxや最高走速度の向上、10kmレースパフォーマンスの改善。 |
| ピラミッド型 (Pyramidal Training) | トレーニング量の大半を低強度で占め、高強度になるにつれて徐々に量を減らしていく。 | 低強度 (Zone 1) が最も多く、Zone 2、Zone 3と段階的に減少。(例: Zone 1で80%) | 介入研究や事例研究で有効性が報告されている。 |
現在のトレンドとして着目すべきは以下の3つ。
1. 総トレーニング量の確保
- 総走行距離は、パフォーマンスを決定する最も強力な予測因子です。
- エリート・世界クラスの選手は、競技レベルに関わらず週に100kmを超える距離を走る必要があります。
2. 低強度(イージーラン)の重視
- 総走行距離の約3分の2をイージーラン(ジョグ)で確保。
3. テンポ走とショート・インターバルの実行
ケニア人選手は、これらのテンポ走とショート・インターバルの距離が長いことが報告されています。総走行距離の約20%を占めるテンポ走(乳酸性代謝閾値の改善に関連)とショート・インターバルは、パフォーマンスと強い相関関係あり。
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