生態系も微弱な電気信号での信号やり取りしますが菌類を使ってメモリを作ったという結果です。電気信号を通すためには湿らせておかなければいけないということですが乾燥されている間は冬眠したように逆に保存されるとのことである意味不揮発なメモリにも化けるものというのが面白いところ。有機メモリのアイディアは色々ありますが究極なエコで土にかえる素材としては断トツと言えるので性能そのものは既存の半導体にかなわないとしても究極の省エネ、カーボンフットプリント、製造コストの低さという面で尖った存在かもしれません。秋はメモリを収穫という未来が訪れるかも… 主な論文の内容↓
目的と背景
- 課題: 脳の構造に着想を得たニューロモルフィック・コンピューティングは、並列処理やエネルギー効率の面で優位性がありますが、従来の半導体ベースのチップは希少な材料と高価な製造プロセスを必要とし、ニューラル・オルガノイドは複雑な維持管理が必要です。
- 提案: 本研究では、適応的な電気信号伝達を持つシイタケ(Lentinula edodes)菌類を、堅牢で持続可能な代替プラットフォームとして探求しました。菌類メモリスは、環境的に持続可能で生分解性であり、低消費電力、そして電気特性の適応性を持つという利点があります。
方法
- サンプル作成: 有機的な培地でシイタケ菌糸体を培養した後、サンプルを乾燥(脱水)させ、使用前に再水和させました。このプロセスにより、菌類マトリックスはその形状と接続性を保ちつつ、硬いディスク状の構造に変化しました。
- 電気特性評価: サンプルに交流を印加し、電流-電圧(I-V)特性を測定することでヒストリシス挙動を評価しました 。さらに、揮発性メモリ特性を調査するための専用回路を構築しました。
主な結果
- メモリス特性の確認: 菌類サンプルは、メモリス機能の主要な特徴である、I-V曲線におけるピンチヒステリシスループを示しました。特に、10 Hzで5Vpp(ピーク・トゥ・ピーク電圧)の正弦波を使用した際に、ほぼ理想的なヒストリシス挙動が観察されました。
- 動作周波数と精度: 菌類メモリスは、揮発性メモリテストにおいて、最高で5.85 kHzまでの周波数で機能し、その精度は90±1%でした。
- その他の特性: シイタケは耐放射線性を示すことから、宇宙線や環境放射線が従来の電子機器に干渉する可能性のある航空宇宙用途にも適していることが示唆されました 。
結論と意義
本研究は、菌類コンピュータがニューロモルフィックなタスクのための、スケーラブルで環境に優しいプラットフォームを提供できることを示しています 。シイタケ菌糸体から作製されたメモリスは、低コスト、低エネルギー消費、軽量であり、脱水により機能性を保持できるため、バイオエレクトロニクスとユニークなコンピューティング分野の橋渡しをする技術として有望です。
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