HIDDEN POTENTIAL 可能性の科学――あなたの限界は、まだ先にある (単行本) 単行本 – 2025/10/16
アダム・グラント (著)
才能は生まれつきというイメージがありますがその常識を覆してくれるのがこの本。筆者の本はGIVE &TAKE以来2作目ですが実例と共に非常にわかりやすい内容でした。筆者がポイントのとしてて挙げているのが性格スキル、不快感を受け入れ挑戦する姿勢、完璧を求めない姿勢の3つです。 このうち性格スキルは後天的にでも身につけられることがブラジルの実業家(30⁻60代)を対象とした実験で示されています。(実務スキル、性格スキルを延ばすグループに分けて教育トレーニングを実施した結果最も効果のあったのは性格スキルを鍛えたグループだった)この性格スキルは主に4つの項目として挙げられています。①積極性(自発的に行動し、情報を得ようとする意欲),②向社会性(他者と良好な関係を築き、協力しようとする態度),③自己統制力(自分の思考、感情、行動をコントロールする能力),④意志力(困難な状況でも目標に向かって粘り強く取り組む力、忍耐強さ) 本書の中ではスポンジのように吸収できる能力を重要な要素のようです。その人の持つ能力を測る時、多くはその時の瞬間の能力、過去の実績ではかろうとするわけですが実は重要なのはその人の秘めている伸びの可能性の方なのだということが示されています。 こういった観点からすると将来伸びる人を探すというのは少し考え方を変えていく必要があるでしょう、つまりはそのひとの逆境の乗り越え方とかアドリブでの課題の処理能力とかそういったものを見極めなければいけないのだと思います。スタートを決めるのは才能だがゴールを決めるのは性格、重要な示唆だと思います。 主な本の内容は以下のような感じ。
1. 成長の設計力と要素
- 才能は出発点にすぎない: 成功の鍵は才能ではなく、「環境 × 思考 × 継続」の三位一体の構造にあるとしています。
- 「学び方」に注目: 人を大きく分けるのは“何を持っているか”ではなく、“どう成長しようとするか”です。
2. 「心の力」(性格スキル)の重要性
成功を左右するのは、「心の力」であると説いています。これは、以下の要素から構成されます。
- 積極性: 自発的に質問や発言をし、情報を得るために自主的に学ぶ姿勢。
- 向社会性: 親しい交流や共同作業ができる能力。
- 自己統制力: 授業などへの集中力や衝動を抑える力。
- 意志力: 困難な問題に挑戦し、障害を乗り越える粘り強さ(グリット)。
3. 成長を促すための鍵となる考え方
- 「不快な経験」こそ最高の成長剤: 学びに伴う**「居心地の悪さ」**を受け入れることが、成長には不可欠です。
- 最適な手法を捨てる勇気。
- 心の準備が整う前に、挑戦の場に飛び込む勇気。
- 誰より多くの失敗を経験する勇気。
- 遊びのある努力: 「やらなければ」という義務感ではなく、**「もっとやりたい」**という意欲で学ぶ時、人は最も伸びます。
- 経験より学び: **「何を経験したか」より、「そこから何を学んだか」**が重要です。
- 越境行為: あえて慣れない分野に飛び込む「越境行為」が、イノベーションを生む。
4. 組織と機会
- 組織の集合知: 個人の成長力だけでなく、組織の集合知をいかに高めるか、そのためのモチベーションや環境をどう構築するかを考察します。
- 機会の創造: 最終章では、「すべての人に機会を創造する仕組みの作り方」を深く掘り下げています。



