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センスはリズムの良さ

センスの哲学 単行本 – 2024/4/5 千葉 雅也 (著)

センスの哲学 単行本 – 2024/4/5 千葉 雅也 (著)

センスがいいというのはドキッとする言葉であり、絶妙な、そしてくすぐったい誉め言葉だと感じます。ただ残念ながら「センスがいい」と言われたことは無く、あこがれではあるのですが… やや系統違いながら地頭がいいというのとも似ているような気もします。 そんな状況で思わず手に取ってしまったのがこの本。 東大・京大でも売れているということで意外にも「センス」マニアがいるのかもしれません。 この本はセンスと言いというのは哲学的にとらえると何なのかというのを考察したものです。一声で行ってしま手ばセンスとはリズムの良さ。これは自分の感覚からいっても腑に落ちる感覚でした。

筆者が見直しているセンスの定義としては3つのポイントがあります。

「上手い/下手」からの脱却: センスとは、対象をそっくりに描くといった「上手さ」の基準から意識的に外れたところにある、「ヘタウマ」にも通じるようなズレとして捉えられます。

意味の手前にある「リズム」: 大きな意味や目的に固執するのではなく、形や色、物事それ自体が持つ「リズム」(強弱の並び、テンションのうねり)を感じ取ること、それを楽しむことがセンスの本質として提示されます。芸術だけでなく、生活全般にもリズムはあると論じます。

「小意味」への着目: 物事の大きな意味(テーマなど)だけでなく、その中にある小さな意味や部分に目を向け、そのきらめきやリズムを味わうことが重要だと説かれています。

そしてセンスを磨くためのポイントは以下の3つです。.

1.「リズム」を捉えること

  • 意味の手前にある「リズム」への注目: 作品や事象の「大きな意味」や「目的」を捉える前に、色や形、音、言葉などの要素が織りなす強弱の配置やパターン、タイミングといった「リズム」を体感し、味わうことがセンスの土台になります。
  • フォーマリスト的な姿勢: 何が描かれているか(内容)だけでなく、**どう描かれているか(形式・フォーム)**に注目し、そのリズムを楽しむ姿勢を持つことです。

2. 多様な「文化的経験」を積むこと(インプット)

  • 多岐にわたるインプット: 音楽、絵画、小説、映画など、さまざまなジャンルを横断的に体験し、多岐にわたる文化的経験を積み重ねることが不可欠だと述べています。
  • 「閾値(いきち)」の超え: 経験的な勘として、インプットの量には「閾値」があり、それを超えることで物事の理解力が高まり、アウトプットにつながると指摘しています。特に若いうちに積極的に「勉強(インプット)」することが推奨されています。

3. 「逸脱」と「自己表現」を試みること(アウトプット)

  • 「模倣」から「独自の表現」へ: 先人の作品を単に模倣する段階から、その本質的な要素を抽出し、独自の解釈や表現を追求する姿勢が、センスの向上につながります。
  • 規則からの「逸脱」: 既存の規則やルール、固定観念から一度離れ、新たな組み合わせや逸脱を試みること、また、そこから生まれるエネルギーや無秩序さこそが、個人のスタイルとセンスを形成すると論じています。
  • 「無難」からの脱却: 周囲の承認や「世間的なセンスの良さ」といった縛りにとらわれず、「自分の文化圏」から抜け出して、自分なりの「こだわり」を混ぜ込むことが重要です。

つまり、筆者はセンスを、単なる生まれ持った才能ではなく、「多角的なインプット」と「リズムを捉える能力」、そして「独自の表現を追求する実践」を通して磨くことができるものとして捉えています。

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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