新しい階級社会 最新データが明かす<格差拡大の果て> (講談社現代新書 2779) 橋本 健二
直近の統計データから分析した日本の格差分析の本です。主に5つの階級↓の分類を実施してあくまで統計的ではありますが各層での生活の動向、思想、嗜好、資産、仕事などの傾向がつかめる内容になっています。基本的に格差が広がりすぎてしまうと国全体として良いことは無いわけで適度の格差を認めつつも如何に適度に頑張る人が報われて弱者にも手を差し伸べられる社会、国として底上げしていけるかというところがポイントなのかなとは思うわけですが現実には簡単では無いとは思います。とするとやはり国として豊かになって全体として底上げすることを考えていくべきでこれから人工減ることも考えると小国でも競争力のある国のやり方が参考になるのかもしれません。(以前読んだ…柔よく剛を制す小国の戦略)
資本家階級: 企業の経営者など、富裕層。
新中間階級: 専門職や管理職といった、正規雇用の高所得層。
旧中間階級: 自営業者や農家など、伝統的な中間層。
労働者階級: 正規雇用の一般労働者。
アンダークラス: 非正規雇用で低賃金、生活が不安定な人々。
特にFocusしているのはアンダークラスと各層での男女格差。主にこの差が広がり始めたのが80年代自分が10代のころだったのであまりその意識をはっきりと感じることは無かったのですがどっちかというとバブル景気の終わった90年代の方がその状況をだんだんと実感するようになった気がします。特に規制緩和とともに増え始めたアンダークラスはある意味ブラックホールとなっていてどの階級からもなだれ込む可能性はあり、他の階級への移動が難しくなってしまうという厳しい実態があることが示されています。この本ではこの5つの区分に加えて政治的思想の区分から5つへの分類を試みており以下の分類を採用しています。
リベラル: 経済的な再分配に賛成し、弱者保護や格差是正を強く求める層。
新保守主義(新自由主義右翼): 競争を重視し、自己責任を掲げる層。経済的な再分配には否定的で、格差は個人の努力の結果だと考える傾向あり。
伝統保守: 家族や共同体といった伝統的な価値観を重んじる層。
平和主義: 憲法9条を擁護するなど、平和主義的な思想を持つ層。
無関心層: 政治や社会問題に対して関心が低い層。
本書では、これらの政治的思想が経済的な階級とどのように結びついているかをデータで分析しており、アンダークラスは、政治への関心が低く、投票率も低い傾向となっている一方で、新中間階級や資本家階級といった富裕層や高所得層は、自身の経済的利益を反映した政治的態度、特に新自由主義的な思想を持つ傾向が強いと指摘。単に経済的な階級構造を明らかにするだけでなく、それに伴う「階級間の政治的対立」が、現代日本の社会を分断させている構造も浮き彫りにしています(と言っても各階級できれいに色分けされているわけでなくあくまでマジョリティが異なるといった程度なので極端な当てはめは危険なところはあります。)



