AIの使用による社会的ペナルティ(評価)に注目した研究です。AIを使っているというのがどのように心象に影響を与えるか?を調査したもの。1つ目の実験では「自分が生成AIツールまたは従来のダッシュボードツールのいずれかを使用した場合、同僚や上司が自分をどのように評価すると思うか」と尋ねた結果、自分がAIを使用することを想像した被験者は、AI以外のツールを使った従業員と比較して、自分が「怠惰」「代替可能」「能力さと勤勉さが低い」といった評価を受けるだろうと予想し、自分がAIを使っていることを隠すだろうと回答。
2つ目の実験では、「AIの助けを受けた従業員」「人間の同僚の助けを受けた従業員」「誰の助けも受けていない従業員」についての説明を読み、それぞれの従業員の特性を評価させました。AIを使った従業員は年齢や性別、職種などとは関係がなくその他の従業員よりも一貫して怠惰であり、能力や勤勉性が低く、自立性に乏しいと評価しました。
3つ目の実験では、被験者のうち一方のグループが候補者の役割となり、もう一方のグループが採用担当者の役割となって、候補者の中から誰を採用するのかを判断しました。その結果、AIを使わない採用担当者は「AIを使わない候補者」を、AIを使う採用担当者は「AIを使う候補者」を好む傾向がみられました。
4つ目の実験では、「人間の手を必要とするタスク」または「デジタルで完了するタスク」に応募してきた候補者を評価。日常的に使っていない被験者は、AIを使用している候補者を怠惰と見なす傾向が強いことが判明。この傾向は特に「人間の手を必要とするタスク」の採用者を選ぶ場合に強くなりました。一方、明らかにAIが適している「デジタルで完了するタスク」の採用者を選ぶ場合、このペナルティは消え去り、AIを使っている候補者の方がわずかに高い評価を受けました。
ここで注目すべきはAIを実際に使う人=有用性がわかっている人はAIを使う人を好むという点です。会社としてAIで効率を上げたいと考えているのであれば世代の分断が起こらないように使用の市民権の向上を全社で取り組んでいかないと足の引っ張り合いになってしまうという可能性を示す研究結果かと思いました。



