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AI=エイリアンインテリジェンスの時代

 
NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク
NEXUS 情報の人類史 下 AI革命
 ユヴァル・ノア・ハラリ
21Lessons から6年越しの新作となるユヴァル・ノア・ハラリの新作です。今回は特に情報と人類の関わりの歴史を振り返りながらAIがどのように社会を変えていくか?そしてどのような道を取っていくべきかを考察した内容となっています。NEXUSという題名は情報自体が人間をつなげる役目を果たしているということから由来。人間の繁栄は協力し合ったことから成り立っていることを考えると情報というのは人をつなぐハブのようなものだと考えても良いのでしょう。ハラリ氏は情報が社会に与える役割として
(1)虚構としての情報は社会に秩序をもたらすこと。
(2)真理としての情報は技術進歩や社会の自己修正等の智慧をもたらすこと。
(3)虚構・真理とともに力をもたらすこと。 
の3つを上げています。つまりは虚構と心理が両輪となっていることで社会が成り立っているということでここでいう虚構というのは迷信、教義、ビジョンのようなもの。真理というのは科学的な真実のことで確かに真理だけで世の中が動いているわけではなくあくまで軌道修正の役割をしていることとその自己修正で破滅に向かわないように人類が生きてきたというのは改めて認識できた知見でした。
 で現代のように情報溢れてくるとどうなるのか?自分も情報が多く取捨選択できるのは素晴らしいと思っていましたが…逆に民主主義が機能せず社会が不安定になってしまうというのが事実。皆がスマートフォンという情報端末で情報にアクセスすることで逆に強力な監視社会が可能になってきているというのが皮肉な話でユーザにとっては便利に見えているものの社会ではあらゆるものが追跡可能な社会になってしまってきているというのが少し怖いところ。これからAIは前出の虚構と真理両方をアルゴリズムによって作り出していくようになると推測され、人間固有と感じていた創作活動も機械にとって代わられていくのは時間の問題となりそうです。これからはAIを使いこなすことそして情報をいかに握るかが世界の覇権を決める=データ帝国主義?というのは間違いなさそうでデータも取り合いの時代がやって来そう。また米中対立に代表されるように異なるデータ圏が独自の世界を構築するとさらに溝は深くなる…これをシリコンカーテンと命名してます。これから人間を動かすことのできるアルゴリズムも構築可能なAIは下手したら核兵器のようなものよりはるかに脅威になるとも言えます。またAIを使える国が使えない国を支配するデータ植民地というのも現実となりうる可能性あります。この事態に対するハラリの提言としてはデータ活用のガイドラインの構築、AI制御に対する相互監視、自己清浄化が可能となり仕組の構築などが挙げられてます…が果たして人間がどこまでコントロールできるのか?AIがこのまま進化し行くと逆に思想という面でAIが人間をコントロールし始めるのではないか?そんな不安を感じてしまった内容でした。
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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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