資本主義の宿命 経済学は格差とどう向き合ってきたか (講談社現代新書)橘木俊詔 (著)
資本主義の宿命というべき格差に注目して経済学と政治の立場でどのように向き合ってきたかをわかりやすく説明した本です。筆者の結論としてはもう少し高所得者への累進課税を増やし将来的には中負担となるような福祉国家を目指すべきというのが主張です。その背景にあるのが日本は比較的貧困層の厚い格差の大きめの国だということで、そこら辺の統計が-第1章に紹介されています。一億総中流などと言われていたイメージもありますが現実はアメリカほどでないにしろ格差指数であるジニ変数はG7内ではアメリカ、イタリアに次ぐ値で相対的貧困率はトップ。しかも金融資産を持たないという世帯が単身では34.5%、単身以外でも23.1%となっていて思った以上に貧しいのだともいうことが出来ます。アメリカの背中を追ってきたことでいつのまにか社会全体も格差よりも経済成長を優先する方が許容されている方向には進んでいるのだともいうことが出来そうです。格差を許容し、トップを突き抜けさせて世界を牽引するような経済活動をする企業を生み出すことで国の強みもあるのがアメリカだとすると日本はそこまでにはなり切れないけれどそこそこのところで生きながらえているといったところでなのかと思いました。これからの人口減少なども踏まえると外からの活力の呼び込みがなかなか期待しにくい日本としては正にどのような得姿を目指していくのかを問われている時期に来ているのかと思います。高齢先進国が故の国家の在り方という意味でお手本となるような絵姿を作れるのかが課題なのだと思います。個人的にも福祉と経済発展の両輪で進めるしかないとは思うのですが先行投資という面のケアの方が個人的には優先度は高く感じています。そういった観点からは容認派となってはしまいますが…呵責も感じるところです。
Please follow and like us:




