半導体戦争――世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防 クリス・ミラー (著), 千葉 敏生 (翻訳)
半導体の誕生から今日の米中対立構造に至るまでのいきさつ/背景が記された本。フィナンシャル・タイムズ ビジネスブック・オブ・ザ・イヤー2022受賞 とのことですがまさに石油以上の戦略物質となった半導体デバイスの背景を知ることが出来る内容で半導体にかかわる人にとっては必読といっても良いかと思います。半導体デバイスの発明から70年ですが性能という面でここまで進歩を遂げたものは他にはないのかもしれません。 ただそれだけに盟主の栄枯盛衰は激しくまさに戦国時代というのがピッタリなのだと思います。 ただいずれもがっちりとポイントを押さえてきたのはアメリカで日本企業の繁栄と没落、韓国メーカーの台頭、リソグラフィメーカーの選択なども相当に国家戦略が関わってきたと言うことが明かにされています。(もちろんそれだけではなく技術的な課題もあったと言えますが) 本書に指摘されているようにデータが新たな石油ともいわれるのですが真の制約は計算能力にあり、その計算能力を担う半導体を作れる企業が1ないし2社程度に絞られてしまっていて地政学リスクがあるというのが昨今の覇権争いの背景にあります。自由競争とはいえど国家間の思惑が入らざるを得ないというのが現状というのが良く理解できます。 それにしてもKeyとなっていくところは抑え、ここまでやるかというほどのコントロールを入れるアメリカの戦略はしたたかだと言えるでしょう。日本も結局その傘の下で生かされていると考えてよさそうです。今後の計算能力を考えると前工程だけの進歩は限界に達しつつある中でいかに最後まで前工程技術を詰めていけるか?そしていかにパッケージとの組み合わせで性能を確保していくか? そして量子コンピュータの覇権を誰が握るか?ということでこれからもこの戦乱は続いていことは間違いないことと思います。
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