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マチネの終わりに -未来が過去を変える物語-

 
マチネの終わりに (文春文庫) 平野 啓一郎
毎日新聞に2015年ー2016年に掲載された長編小説。第2回渡辺淳一文学賞受賞などの栄冠取得し昨年11月に映画も公開されています。
あらすじ
たった三度出会った人が、誰よりも深く愛した人だった――
天才ギタリスト・蒔野聡史、国際ジャーナリスト・小峰洋子。
四十代という〝人生の暗い森〟を前に出会った二人の切なすぎる恋の行方を軸に
芸術と生活、父と娘、グローバリズム、生と死など、現代的テーマが重層的に描かれる。

本を閉じるのが惜しい・・・と書かれているように確かに切なく余韻を引かれる話。40代とのことで年代も近いだけに何とも言えないやりきれなさを感じました。ピアノに対してギターが物語として取り入られているというのはある意味珍しいのかなと思いますがコンサートの臨場感や描写などギターのコンサートになじみのない人でもすっと入っていける内容でした。そしてなんといっても運命のいたずらともいえるボタンの掛け違いがうまく設定されており、実は実話なんじゃないかとも思わせるような演出。男性だとギタリストの荻野の立場で感情移入してしまうところもあります。人生とは偶然の積み重ねであるというのを強く意識させられます。この本の中で出てくる「未来が過去を変える 」という概念も面白いところ。確かに過去というのは現在において評価されているものなのでその評価はこれから起こる、起こそうとすることことで意味合いが変わってくるよということ。つまりは失敗だと思っていたことでもそれを転機にV字回復すれば逆にそれは成功だったという解釈にもなると思いますし、成功だと思っていたものが堕落への入り口になっていたということが発生する可能性もあるわけです。 そういった観点からは失敗を含めすべての人生での出来事は後出ようかが更新可能だと思えば何も怖くないのだとも言えます。 
映画『マチネの終わりに』予告【11月1日(金)公開】
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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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