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ケースから学ぶ知財戦略

こうして知財は炎上する―ビジネスに役立つ13の基礎知識 (NHK出版新書 558)
クリエーター情報なし
NHK出版

 理系の人間にとって大学といった研究機関では論文、企業という場では製品そのものそして特許というのが一つの成果物になるものだと思います。技術的なものにかかわらず知的財産権(著作権、特許権、実用新案権、意匠権、商標権など)について知財啓発の第一人者が、身近な最新事例(5輪エンブレム問題、ひこにゃん騒動、漫画村など)をもとに、セーフとアウトの線引きと、複雑化する知的財産権の現状をわかりやすく解説した本です。 以前にもまして知財の問題がクローズアップされるのはインターネットの普及、特にSNSなどの普及の要因が大きいように思います。ただ法律を守っていればOKというわけでなくPPAPの商標登録問題など法的には問題が無くとも倫理的におかしいと炎上してしまうケース、さらにはその動きによって世論がミスリードされてしまうことも多々発生しています。五輪のエンブレムなどは最たる問題なのかと。法的な側面だけでなく感情的な側面も考えながらの対応が必要になっていくのは間違いなさそうです。つまりは「法的にはなんら問題がなくとも、一般からの理解が得られなければ、獲得しようとした利益以上のもの失ってしまう」わけです。
 技術的な特許においては本来の目的である知財の権利行使に関しても自身が権利を取得しても権利を行使しようとすると炎上しかねないわけで一部はオープンにし、独自技術に関してはクローズさせる「オープン・クローズ戦略」なるものも注目されています。このような例で成功した事例としてはデンソーの開発したQRコードが事例として取り上げられています。権利行使せずに技術をOPENにしたことで標準化にもつながったものですがその中で高度な読み取り技術に関してはクローズ化して収益源としています。燃料電池自動車関連などは似たようなことを実施しているように思いますがこういった上手い綱引きが必要になると言えそうです
 特許が技術的なものからある程度線引きが簡単な一方、商標などは実際の使用実績や商取引の状況なども加味する必要があるので確固としたものは難しいところなのかもしれません。また逆に技術的なものに裏付けされていないだけに模倣、ただ乗りという問題も生じやすくなるように思います。その他、実際に法律には保護していない知識やデータの活用といったものでも「不法行為」として問題になる事例も紹介ありました。これからのビッグデータ/AI活用の世代に対しては注意しなくてはいけないポイントとなりそうです。
  

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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