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デジタル統制される世界

デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義 (集英社新書)
クリエーター情報なし
集英社

 インターネットを利用していない人の方が少数派になるほど生活に普及して来ました。SNSに参加するというほどでなくともインターネットを利用していないという人を見つける人が難しいほどなのではないのかとは思います。ただインターネット上での行動というのはその人を丸裸にするものです。検索というのはその人の欲しているもの、願望と日常生活がほぼ明らかになりますし、ポータルサイトやSNSのタイムラインに際混まれるニュースはこれらの履歴をベースにその人の志向により傾倒するように色づけられています。さらにはAmazonなどでは人の履歴情報などから価格が個人的に調節されていることなどもわかってきています。これらは消費者のためを思ってといった面もあったのでしょうがこの場に及んではすっかり企業活動をより強化するものとなっています。そしてついにそれは言論統制の方向にも向かおうとしています。アメリカの大統領選やイギリスの国民投票では無意識のうちに提供している個人情報が選挙キャンペーンや世論家性に利用されたことが明らかになっています。うそを混ぜたプロパガンダや個人の不安を掻き立てるマイクロ宣伝などもその触手を伸ばそうとしています。そんなデジタル民主主義の時代の実情と今後について分析した本です。正直ここまで来ていることに驚愕しました。

 昔からいわゆる名簿入手などで商いをする情報屋さんというのはいましたがあくまで非常に限られたコミュニティで機能するものでした。この情報屋の舞台はインターネットに完全に移行してきています。インターネットになって誰もが平等に情報が与えられ、より平等になると思っていたのはすっかり勘違いの様でよりデータは集めやすくそして個人に対して調整し、制御を細かくかけやすくなったということが言えるでしょう。

 普通にSNS上にあふれているデータを分析するだけでも「先読み」がある程度できるようになってきただけでなく、消費行動や政治信条なども非常に正確に分析が可能だと言いますしそもそもインターネット上の履歴だけで匿名であったとしてもほぼその人の個人情報を特定することが可能になってきているそうです。インターネットを使っているのであればそしてSNSまでやっているとするとその人もプライバシーは限りなくない状態になってしまう(一般的に公開しなければ影響減らせるでしょうがデータ分析する側からアクセスする分としては十分なデータ量を保有)なっているといっても差し支えないのかもしれません。こういった状態になっている以上いくら検索結果が出てもそれはある程度調整されたものである可能性は否定できないと思われます。今後IoTとのことで家庭によりインターネットが食い込んでくると便利と引き換えにさらに怖いことになりそう。とくにAmazon Echo、Google HomeなどのAIスピーカーなどは下手したら聞き耳を立てているようなもので… 
 
 これらのデータ活用の政治活動へのFBはオバマ大統領の選挙付近から大々的に行われているとのこと。たとえば「いいね」ボタンがどのように押されたかを分析すれば(300個も分析すればその人の学歴やバックグラウンドなどが高い確率で分析できるらしい)どういう嗜好があるかもわかるわけでそういった分析から最も攻めるべきところに政策を調整していったとのこと。トランプ大統領時はさらに進んで個人に応じてインターネット上の広告が調整されたり、民主党派に対するネガティブキャンペーンによる投票阻止作戦が取られたりしています。

 さらにこれらのネット上の動きは個人の偏見性をより高めていく可能性がありそうでこの現象を「フィルターバブル」と呼んでいます。つまりはある信条のニュースを好むようになればよりそういった方向性のニュースが提供されその考え方を強化する方に働くからです。これが現実のニュースだけでなく偽ニュースなどに広がる傾向もあり…ますます計算づくで世界を動かすハードルが下がりつつあるように思います。すでにFacebookでは偽アカウントなどが大量に存在し、世論を形成させるような動きを見せていることが2014年のウクライナ危機以降目立ってきているようです。こんな使われ方はFacebookは想像だにしなかったことでしょうが言論の自由が基本のネット社会では変な統制をかけるわけにはいかず難しいところかと思います。 国民投票など平等だと思っているものは逆に上手く丸め込まれてしまう可能性ありそうで、ある意味間接民主主義の方が歯止めはかかるのかもしれません。 逆にインターネットとして怖いのは進化を停滞させ自らが崩壊するような方向(信頼できないから誰も使わない等)に行かないかということで… 
 

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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