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組織はむしろ動的非平衡に

生きている会社、死んでいる会社―ー「創造的新陳代謝」を生み出す10の基本原則
クリエーター情報なし
東洋経済新報社

 企業という組織の業績の停滞という問題に切り込んだ本です。会社が生きている、死んでいるというのはどういう状態なのか。30年という長い間経営を見てきた筆者だからこそ指摘できるエッセンスが詰まっているように思います。どちらかというと小手先の戦略、マーケティングや手法というよりはそのベースを支える人の活性化に着目したものです。会社を生命体でとらえると停滞と言うのは生活習慣病のようなものです。 企業の成功というのを考えたときどうしても戦略というのに目が行ってしまうのですが確かに、戦略が優れているとは思えなくとも、働いている人がやりがいを持ってイキイキとしていて、成長している会社はあるということです。そしてどちらが重要かと言えば…長期的に見れば土台を支えている人にフォーカスすべきことは明らかだと思われます。
 会社組織としてはどうなのかというと創造による貢献こそが会社の真の目的かと思います。あくまで利益は創造がもたらす結果というのを忘れてしまうと危険なことになります。では、会社は何を創造するのか。それは社会の役に立つ、顧客の役に立つ「価値の創造」。それを形作るのは挑戦であり、挑戦こそが会社の生命線であると言えるでしょう。挑戦が出来る会社というのは逆に平衡状態ではなく、安定していないということになるのかもしれませんがそれこそが逆に重要な要素になるわけです。ただ会社は大きくなっていくと安定、安住の方向に向かうのが常、「価値を創造しつづけなければならないのに、老化していく」という自己矛盾を内包しているわけでこういった老化現象を積極的代謝によっていかに打破するのかがポイントになります。と書くと簡単なようにも思えますが実際、代謝するためには何かを捨てなくてはいけないわけで既存のものを捨てるというのが簡単ではありませんがこの本ではその代謝の良悪の実例など数多く紹介されています。活性化に対しては経営層と現場の境界でギャップを埋める役割という意味で0>1を創造できるミドルマネジメントが非常に重要であることが指摘されています。
 人間というのはどうしても弱いもので安定できるポイントをどうしても探しに行こうとします。だからこそ積極的に崩しに行くことが求められるのだと思います。ある意味こういった新陳代謝は日本の家屋のように得意としてきた面も無きにしも非ずでそれを少しでも創造の方に振り分ける仕組みが出来れば強い組織を作るヒントになりそうです。。
 
 

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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