
![]() |
脳には妙なクセがある (新潮文庫) |
| クリエーター情報なし | |
| 新潮社 |
「進化しすぎた脳」の筆者で個人的にもファンである池谷先生の本です。脳の様々な特性をクセ=特性という観点から整理した本で文庫化されたきっかけに読んでみました。なんと26章もトピックスがありますがポイントとなるのは11,22,26章とのこと。池谷さんの狙いとしては脳の特性を知りながらよりよく生きるためにはどうすればよいかということで脳を使いこなすためのTopicsが散りばめられています。そういった観点で最新の研究及び今までの知見が非常にわかりやすく解説された本だと思います。この本でも改めて認識させられるのは「脳が体を制御している」のではなく「体が脳を制御している」とも言える状態であるということです。というよりは密接に相関しているといういい方なのかもしれません。 いわゆるSFのような脳だけの世界というのは不可能ではないですが現実的では無いのかも。
11章:脳は妙に笑顔を作る まさに脳が身体的で「形から入る」のだということを認識させられます。つまりは楽しいから笑うというよりは笑顔を作るから楽しくなるという結果が出てきます。これは何かを取組むときの姿勢を体でどのように取るかで大きく変化する研究結果が出てきています。日本の武道はまず姿勢や型を重んじますが逆に形から入ることの重要性を認識していたのかもしれません… 表情には先天性があるということもわかっておりこれが社会における道徳心の形成に役立ったのではないかという説もあるそうです。
22章:脳は妙に不自由が心地よい
人は行動を自由に決めていると思っているが実は93%は予測可能というくらいお決まりのパターンに従っているそうです。こういった研究結果からしても自分たちが自由意思があると思っているものは勘違いがありそうで周囲の環境や習慣である程度決まってしまっているということです。以外にも未来というのは予測可能な方向に行っているようです。またこれを応用すると視覚で認識した際の反射を見ることによってその人の選択を予測可能となるそうです。 つまりりは脳の考えは体に表れてしまうわけです。脳には身もふたもないというわけですね。
26章:脳は妙に使いまわす
この章では今までの身体性を持つ脳が人間においてどのように進化してきたか、つまりは頭の中で考えるという行為が脳の進化の上に生まれたことを認識しながら再び脳が本来持っていた身体感覚のを呼び起こすことを推奨しています。つまりは逆に身体性を重視することで脳をうまく使いこなしてやろうというのが提案です。単に頭で考えるよりも身体的な出力=行動(音読、書く)をすることによって脳の活動が活発化して効率が上がることは既に報告されていますのであとは実践するのみといったところでしょう。




