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長生きが地球を滅ぼす

【文庫】 「長生き」が地球を滅ぼす 現代人の時間とエネルギー (文芸社文庫 も 3-1)
クリエーター情報なし
文芸社

 挑戦的なタイトルですが筆者も1948年生まれとのことでほぼ高齢者。なのでけっして高齢者批判をした本ではなく生物学的な時間の見地から人間の生き方ってどうなのかという疑問を投げかける本です。人間を豊かさを手に入れるために大量のエネルギーを消費して社会のペースを早くしているわけなのですが本来人間が持っている体のペースが追随出来ていない上に明るい未来が開けていない長寿化が加わり、高速・長寿社会と言うちぐはぐな状態になっています。この本では時間を絶対的なものとはせず「時間はエネルギー消費に従って早くなる」という視点で現代社会の問題を取り上げることによって解決の糸口をつかもうとしています。なかなか便利になった世界から元に戻るという決断はとれるものではないですが身の程を知ることが出来なくなってしまったのが人間のようです。
 基本的に生物が消費するエネルギーというのは体重の1/4乗に比例するというデータがあります。これは体重が増えるほどにはエネルギー消費は増えていないということ。大きな生き物ほど中の細胞はうまくサボっているということでこれは組織論にもつながる話かもしれませんが… ところが人間のエネルギー消費は体重の30倍にも到達しているようです。つまりは恒温動物の標準をはるかに逸脱してしまっていること言うこと。この30倍というベースの違いは変温動物>恒温動物の違いに匹敵するとのこと。この本に指摘されているように人間は恒温動物のベースをー段階超えて
高「環境」動物になってしまったようです。またエネルギーを使えば使うほど時間が早くなる=代謝時間の考え方を使うと現代人がいかに体の時間とギャップのある中で過ごしているかを理解することが出来ます。この考え方で言うと先進国と途上国でも時間の流れ方は違いますし、子供>老人でも時間の流れ方は大きく違うことになります。子供の時間密度というのは大人よりはるかに高いものなのです。
 とすると老いの時間をデザインすることも可能なはずです。時間の流れ方も違うわけでそれに応じた生き方というのがあるのかと思います。しかしながら長寿になってしまったからには仕事を通じた社会貢献や広い意味での生殖活動(子育て支援)などで社会的に貢献するというのがやはり意味ある人生になるしやりがいと意義を見出すことになるのかと思っています。なので自分もおそらくは歩けなくなるまで働き続けるのではないかと考えています。
 

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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