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ガラパゴス・クール |
| クリエーター情報なし | |
| 東洋経済新報社 |
日本は「失われた20年」といった言葉が示すように将来に関してあまりポジティブな話は聞かれませんがこの本はあえてそんな日本の独自性と差異化の中から世界を豊かにする普遍的な価値を見出すことが出来るのではないかという視点で書かれた本で各界のフロントランナー11人の叡智を結集した内容となっています。日本が再び世界で輝きを取り戻しつつあるとまでは楽観はできないものの売り出せるものはあるのではないかという希望、元気を取り戻せる内容だと思います。降ったび注目を浴びたいといった願望というよりは何が提供できるのか?期待に応えることが出来るのかという視点で描かれた本です。
1章-4章は日本の文化の「旨味」に注目し、観光分野、文化、ライフスタイル、日本の建築デザイン、ゲーム、ユニクロなどの日本ファッション、MUJIに代表される日本ライフスタイルに着目した内容です。特に建築分野では日本は先端に居るというのは知りませんでした(代表的な事例として建築のノーベル賞と呼ばれるブリツカー賞の受賞者は日本人が最も多いとのこと)日本の文化の背景として大きいのは官主導というより民主導で文化を維持してきたというのがありそうです。その分繊細で厳しい消費者眼が磨かれてきたというのもあるのでしょう。
5-8章はこれらの背景を基にしながら日本が先取りして取り組んでいる課題に対して世界に提供出来るアイディアやヒントについて記されています。日本の企業のスタートアップの取組として大企業との融合モデル、高齢化社会への取り組み、日本の基礎研究と国民の基礎能力の高さの背景にあるもの、世界49ヵ国に波及した公文式、日本の災害レリジエンスなどなど日本の課題に対する取り組みと具体的な解決策のヒントが詰まった内容となっています。
9-11章は世界における日本の役割と貢献について記されています。開発途上国への援助機関とJICAでの支援、グローバルシビリアンパワーとして人間の安全保障や法の支配のアプローチの提案、歴史問題への取り組みと日米の関係を通じた和解モデルの模索などが紹介されています。特に日本の貢献は歴史的な背景もあってボトムアップを志向してきたことはあると思うので上手くいっている方なのかとは思いますが。
ガラパゴスがグローバルに昇華する。それはガラパゴスとグローバル化の交差点ともいうべきポイントに革新のポイントが控えているのではないかということです。 そういった意味では今まで内向きでネガティブな意味でしか使われてこなかった「ガラパゴス」が逆に強みとして発信できる可能性があるということは認識すべきことですし、失われた時代を活用して変にガラパゴスだったことで逆にそういった素地が育ったということがいえるのかもしれません。変にグローバル化して表十貸してしまったら画一的なものしか生み出せない危険性もあるのでしょう。そういった意味ではやはり自分自身、そして周りを知ったうえで強みを最大限に生かし、日本としての役割を果たしていくというのが重要なのだと思います。これからのグローバル化は自身の強みを生かしたうえでの競争、協調が出来るといった姿勢が求められていくのだと思います。そういった意味では日本の中にこそフロンティアをきづいていけるのが良いのでしょう。そしてそのすがたを大きく考え「Think Big」世界観を共有し、世界との共同作業に進化させること、それこそが求められていることだと思います。




