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陰翳礼讃 -光よ、深きものを照らせ- 

光が照らす未来――照明デザインの仕事 (岩波ジュニア新書)
クリエーター情報なし
岩波書店

照らすこと。やっていることは非常に単純に見えてしまうことですが照らすことは状況によっては人の勇気や希望につながるものです。
暗闇の中でのライティングは拡大解釈しすぎかもしれませんがある意味、陰翳礼讃という日本の美意識にも通じるのではないかと感じています。

図書館で偶然出会った本でしたが単なる照明デザインの本でなく日本で照明デザイナーという地位を開拓した石井さんの人生そのものが凝縮された本でした。
恥ずかしながら照明デザインのことはほとんど知らなかったのですが今は普通となった冬のライトアップ事業や文化財/建築物のライトアップなどを日本で受け入れられる
土壌を作った人と言って良いのかと思います。主な仕事としては以下のようなものです。自分も見たときに高揚感を感じたベイブリッジやレインボーブリッジも手掛けています。
名古屋だと名港トリトンですね。

(Wikipediaより)
祭典 – 国際花と緑の博覧会(シンボルタワー、光ファンタジー電力館)、国際科学技術博覧会テーマ館、ジャパンフローラ2000、ライトアップフェスティバル
エリア – 大阪市(長堀シンボルロード)、函館市(ファンタジーフラッシュタウン函館)、姫路市(ライトアップ姫路)、倉敷市(倉敷美観地区)、北九州市(門司港レトロ・ナイトファンタジー)
城 – 大阪城、姫路城
橋 – レインボーブリッジ、明石海峡大橋、横浜ベイブリッジ、鶴見つばさ橋、名港トリトン、トゥインクル、東京ゲートブリッジ
博物館 – 東京国立博物館平成館、姫路市立美術館 – クリエイト神戸(神戸らんぷミュージアム) – 世界淡水魚園 – 万国津梁館
寺社 – 善光寺(長野灯明まつり)、浅草寺
その他 – 六本木ヒルズ森タワー、東京タワー、東京駅駅舎、湯村温泉温泉街、恵比寿ガーデンプレイス、ダイヤと花の大観覧車、関西電力姫路第一発電所煙突照明、東京電力ヨコハマツインタワー、テレコムセンター、大垣共立銀行、岐阜メモリアルセンター、ブリーゼタワー、熱海サンビーチ

特に石井さんが今の職を選ぶに至った経緯が幼稚園からの戦前の状況も踏まえて描かれているのが印象的。
将来を具体的に考え始めたのは高校生の時。女性で専門職を持つということが珍しかった時代に英語が得意ということから秘書や翻訳家などを考えたそうですが
好きなことということでさらに探し求めたようです。大きなきっかけは国立近代美術館での「グロピウスとバウハウス」展での「工業デザイン」との出会いでした。
最終的に照明を専門にしたきっかけは所属したデザイン事務所で手掛けた照明器具のデザインだった様子。

そこからのバイタリティが最もすごいと思った点で北欧、ドイツと照明デザインで進んだところから基礎を吸収して来ます。
その後、日本にそういったニーズが存在しないことがわかっても一定の地位が確保できたヨーロッパに戻らず日本で開拓することを選びました。
そのあとの活躍は言うまでも無いのですがやはりこういった仕事はコネクション、評判がつないでいくもののようです。
石井さんも雑誌の編集長を通じて大きく人脈が開いていってます。

石井さんはもともと国際的な評価も高いのですが国際人であるためにはまず魅力ある日本人であり、
国際的な立場を視野を持っていながら日本のことをきちんと語れることが重要だということを言っています。
これは自分も強く思います。国際人というのは英語が出来ることではなく結局、注目しているのは中身なわけです。

自分にとっても耳も痛いところもありハッとさせられる内容でしたがこれから社会で何をしようと考えている中高生にこそ読んでほしい本かなと思います。

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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