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孫子に経営を読む


京は天気が崩れる前というのこともあるのか少し温かめの日でした。先週の京都マラソンでも見かけましたが公園では梅が咲き始めています。

孫子に経営を読む
クリエーター情報なし
日本経済新聞出版社

MOTで有名な伊丹敬之さんの本。35歳に書いた本のころから孫子の言葉を引用しており版を重ねるごとに引用が増えたことから編集者に孫子と経営を重ねる本を書いたら?と勧められたのがきっかけだったそう。孫子は6000字程度の本ですが兵法のエッセンスが非常に簡潔かつ細かく書かれてます。闘いという面では企業間の戦いも同じということで孫子の兵法を企業経営視点で読んでみたらどうか?というありそうでなかった本です。
 まず国を統治する君=CEOとしての重要なポイントの順として
道、天、地、将、法 を挙げています。意外なのは人材である将の優先度が低いこと。人が国を作るのは事実ですがそれより重視しているのは道=理念が重要という点。
また「勝を知るに五あり。戦うべきと戦うべかざるとを知る者は勝つ。しゅうかの用をしる者は勝つ。上下の欲を同じくする者は勝つ。虞を以て不虞を待つ者は勝つ。将の能にして君の御せざる者は勝つ。此の五者は勝を知るの道なり。故に曰わく、彼を知りおのれを知れば、百戦してもあやうからず。彼を知らずして己れを知れば、一戦一負す。彼を知らず己れを知らざれば、戦う毎に必ず殆うし」 の中ではこれに加えて「上下の欲を同じうする者は勝つ」と書かれていてこの理念が上下で統一されていることが重要ということになります。
五ありの中では「将の能にして君に御せざる者は勝つ」=現場に対して権限委譲して口出しをしすぎないというコメントもあり、なかなか通ずることはありそう。
 あと孫子が強調していることとしては「戦うべきを知るものは勝つ」、「虞を以て不虞を待つ者は勝つ」ということで周りの環境だけでなく自身の準備がきっちりできていて勝てる状況を作っていなくてはいけないというのを戒めています。
 リーダーである「将」のあるべき姿としては智、信、仁、勇、厳の順で重要度が述べられていてここもまた智という賢さに重要度が上げられています。これは戦いそのものがいかに事前に考え抜いて結論を出すかということに重要度を置いており、いわゆる戦いで必要そうな勇、厳の優先度が下げられているのは面白いところ。2,3の信、仁もリーダーとしては厳しさというよりは尊敬される人格者ということの方が重要だということを示しています。当たり前ですが尊敬されるような人柄でなければこの人について行って頑張ろうなどとは思わないというのは当然のことだと思います。
 戦略に関しても「兵とは詭道なり」の有名な言葉がありますが正をベースにした奇襲戦略という点と「善く戦うものはこれを勢に求めて人に求めず」というその場の勢いを重要視した点というのが印象的でした。これまた人よりもその勢いを作り出すのが重要よということでいかに考え抜くかという論理的思考が求められているようです。

いずれもはっとさせられることは多いものの中々実践しにくいものが多いというのが特徴で実践するには自身の努力で内容を本質的に理解し、身に着けることが重要になるのかと思います。そういった取っても重要な局面の現場に接する時間というのは数多くはないはずでその時のためにも事前から自分の肉、血としておく必要があるということでしょう。自分はあくまで現時点では兵の立場ですが視点として将、君の考えを知っておくのは損はなさそうです。

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

2 Comments on “孫子に経営を読む

  1. 戦うべきとき
    戦うべきと戦うべかざるを知るものは勝つ。

    同感です。また、戦うべきときに必要なエネルギーを出すには、無駄なエネルギーを使わないことが大切かなと感じます。
     勝負事は、「ここ一番の勝負時」を知る能力が必要ですね。

  2. Unknown
    意外に見極めが難しいので教訓として語り継がれているのでしょうね。意地や投入コストのしがらみとかもあってなかなか手ったちできず傷口を開いてしまうのは個人でも会社でも同じことだと思います。

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