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工学部ヒラノ教授の事件簿


寒さも厳しく風も強い日でした。来週に四日市駅伝を控え、走り込みの最中です。

工学部ヒラノ教授の事件ファイル
クリエーター情報なし
新潮社

 工学部の生活と研究環境を明かした工学部ヒラノ教授の続編で今までのトラブルネタに絞って書かれたもの。カラ出張、経歴詐称、カンニング、違法コピー、セクハラ・アカハラ、盗作と捏造など日本だけでなくアメリカでも赴任経験のある筆者だからこそ描けたダークサイドの物語です。また筆者のいた中央大での殺人事件や東日本大震災にともなう原発事故、STAP騒動の話も取り上げられています。といっても専門外なので…とのコメントつきですが。
大学の研究室は小さな会社のようなイメージだと思います。予算の確保から研究成果という利益?を生み出すための組織なのですが企業との違いという面で言えばどうしても事務的なことまで研究室の内部で対応しなくてはならず、いわゆる雑用というものに忙殺されることが多いこと。構成員がお金という報酬を得ている教員とお金を払っている学生とで構成されていることでグレーゾーンが生じやすいということが挙げられるかと思います。本来ならば研究成果を上げるための生産的な職場ではあるべきと思うのですがこの本にも語られるように「事実は小説よりも奇なり」なこともあるというのは面白いものです。引退したからというのはありますが個人的にはよくここまで書けたなというぐらいの印象です。今後は環境自体変わっていく可能性はありますが工学部に行こうとしている人は読んで損はないでしょう。
 この本の主題とは異なりますがアメリカの大学院での教育の厳しさ、実力主義という点については興味深い内容でした。「Publish or Perish」という言葉も紹介されていますが学生時代から厳しい競争にさらされているということも社会での実力主義とつながっているところがあるのかもしれません。研究は短期で成果を出していくだけがすべてではなくそういった面では企業での技術発展と補完しあうものだとは思うのでやりすぎは禁物なのでしょうがこれからはさらに成果に対して厳し目が向けられていくのかと思います。

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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