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はやぶさ2の冒険


冬休み。今年は年明けの方が時間が無いのが特徴。なるべく年末にやるべきことは済ませておこうと思います。

はやぶさ2の真実 どうなる日本の宇宙探査 (講談社現代新書)
クリエーター情報なし
講談社

はやぶさの帰還した2010年からはや4年、2014年12月3日にはやぶさ2が打ち上げられ、今のところ順調に航行を続けています。
はやぶさ2特設サイト
この本はそんなはやぶさ2を取り巻く背景とはやぶさ2の目的と期待されることを解説したものです。はやぶさの経緯から詳細に載っているのでそこら辺の背景も含めて勉強することが出来ます。
 もともと小惑星探査の意義というのは人類の基でもある太陽系が出来てきた経緯+生命の起源というのを調べたいというのがあります。特に小惑星は大きな惑星はエネルギーの作用により物質が溶けて混ざり合ってしまうこともあり、痕跡自体は消されてしまうことが多いのですが小惑星は創世時の物質がそのままかたかっている可能性が高いのです。地球に落ちてくる隕石でもよいのですがどうしても落ちてきた時点で汚染されてしまったり大気圏突入の熱で影響が入っているというのは否めません。
 はやぶさの目指したイトカワはS型惑星という石質の惑星で太陽系には比較的多いもの。なので現実的にたどりつける範囲では有効な選択肢でした。その他種類としては金属のM型、炭素が含まれるC型、水や有機物のあるD型、P型もあり、特に有機物と水があるD,P型は生命の起源が隕石によりもたらされたという証拠を残している可能性があるのですがはやぶさ2では現実的にたどりつける範囲でありませんでした。で今回選ばれたのがC型の1999JU3というきちんとした名前のないC型の惑星です。ただ観測により含水シリケイドという水を含む化合物が存在することはわかっており、 そういった面では期待される探査になってます。
 はやぶさからのハード面の変更に関しては主にマイナーチェンジ、バックアップの拡充、探査対象に応じた対応という面が大きく
大幅な変更ではないのですが十分にはやぶさの教訓を生かした内容になっているかと思います。
・高利得アンテナをパラボラ型1基から平面型2基に変更 Xバンド>Kaバンド帯の利用で通信速度Up
・姿勢測定のためのスタートラッカー1>2基
・リアクションホイール3基>4基 Z軸のみ増やす
・スラスターの2系統の配管を完全に分離
・小惑星の表面に砲弾を撃ち込みクレーターを作って内部を露出させるインパクターを装備
 >宇宙での風化していないサンプルを手に入れたい
・可視分光撮像カメラ、近赤外線分光器のリファイン
 特に近赤外線分光器は含水鉱物の分析に使用するために高波長側にシフト
・蛍光X線スペクトロメータ>中間赤外カメラに変更
 いわゆるサーモグラフィのようなものですがC型惑星で熱を吸収しやすいため表面温度の計測が出来るように…
・着陸機 1機>3機
 飛び跳ねるMINERVAを2機種、ドイツ航空宇宙センターのMASCOT(磁力計、分光顕微鏡が新装備)
・イオンエンジンの改良 中和器の長寿命化のための磁場設計の見直し
といったところが大きなポイント。
主なスケジュールは
打ち上げ(1)2014年12月3日
地球スイングバイ(2)2015年末
小惑星1999 JU3到着(3)2018年夏
小惑星1999 JU3出発 2019年末
地球帰還 2020年末

なんといっても大きいのは予算確保がぎりぎりだった件。
ちょうど民主党での仕分け時期に当たり、予算に対しては相当苦労したようです。国として何を優先すべきか難しいところですが
何かを創造することが出来る力、というのは遠回りでも活力を生み出すものだと信じています。
特に大きいと思うのは継続的に先端技術をけん引できる人を育てるということです。そのためにも新しいことに挑戦できる国であるという希望と自信を高めてくれるはやぶさの威力は大きいかと思うので個人的には応援して行きたいです。
 

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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