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自宅が工場に -情報と物質を等価にする3Dプリンタ-


まだまだ梅雨が続きます。
近くのノリタケの森には恐竜がやってきました。去年と同じく9月まで居る予定で今年はメンバーが増えました。
実際、恐竜はもちろん実物を見たことありませんがかなりリアルに作られているように思います。子供が怖がるのも納得。

SFを実現する 3Dプリンタの想像力 (講談社現代新書)
クリエーター情報なし
講談社

モノづくりの世界はずいぶん前からデジタル化されてきました。そもそもインターネットの世界ではデジタル上にしか物がないわけでその中のシステムとかソフトというのはデジタル製品の最たるものだと思います。こちらはオープンソースも進んで誰もがクリエイターになれるようになって来ました。 一方で物理的なものづくりの世界では設計自体はデジタル化されているのですがモノを作るところは相変わらず工場での大量生産に頼るものが少なくありません。 物理的なモノづくり=ファブリケーションに革命がおこるとすれば3Dプリンターというのが一端を担うに違いありません。もちろん故障の多さというようなネガティブな面もあるわけですがパラダイムシフトとなる技術の一つだと思います。
この本はそんな3Dプリンタを用いた最新の取り組みが紹介されています。デジタル情報は便利なのですが実際に触れてみるとか物理的な具体性にはどうも欠けているところがあります。人間としては視覚、聴覚だけではなく触覚を使った訴求があるとより具体感が増すというのはご存じの通り。建築や土木の分野では当然ながら模型を使って触れながら議論するというのがあるのですがそういった議論をしやすくするという役割を担えると思います。また情報>物質変換がどこでも実施できるようになるというのは大きな魅力。実際に制作物を送付するので無くデータからプリンタを介して物質を再生することが可能になるのです。
この本で訴えている究極の思想は情報=デジタルな世界と物理的な世界=フィジカルが融合して等価になるフィジタルという状態です。スタートレックではレプリケーターといって分子を配合してあらゆる物質を再生してしまう機会がありますが究極の状態はそのような状態が実現できるということになるかと思います。
こういった性質をもつ日本の造形手法として木編み、竹編み、紙折りというのがあります。この手法はまさにこのフィジタルな世界を実現するために基底となるような考え方が日本にあったのは偶然なのか必然だったのか? まだまだ不完全なところもありますが今後の展開が着目される分野だと思います。
おもえば人間の体の中というのはこういう組み立てたり崩したりという可逆性のあるモノづくりが出来ているわけです。そういった境地に近づきつつあるということでしょう。

このファブリケーションという言葉はもともと半導体の分野でよく用いられます。半導体は人間が製造する者の中で最も小さいものに入ると思うのでこの3Dプリンタのフィジタル思想とは近いところにいるのかもしれませんが半導体製造でやっていることはこれと正反対で巨大な製造装置で小っちゃいものを作りこんでます。半導体もいつの日かこういったローカルな作り方が台頭する日が来るのかもしれません。

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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