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下町ロケット


このところ天気が良く気持ちの良い日が続きます。今年はまだ積雪は無く、今のところ通勤にも大きな支障は無し。

下町ロケット (小学館文庫)
クリエーター情報なし
小学館

あらすじ…
主人公・佃航平は宇宙工学研究の道をあきらめ、東京都大田区にある実家の佃製作所を継いでいたが、突然の取引停止、さらに特許侵害の疑いで訴えられるなど、大企業に翻弄され、会社は倒産の危機に瀕していた。
一方、政府から大型ロケットの製造開発を委託されていた帝国重工では、百億円を投じて新型水素エンジンを開発。しかし、世界最先端の技術だと自負していたバルブシステムは、すでに佃製作所により特許が出願されていた。宇宙開発グループ部長の財前道生は佃製作所の経営が窮地に陥っていることを知り、特許を20億円で譲ってほしいと申し出る。資金繰りが苦しい佃製作所だったが、企業としての根幹にかかわるとこの申し出を断り、逆にエンジンそのものを供給させてくれないかと申し出る。
帝国重工では下町の中小企業の強気な姿勢に困惑し憤りを隠せないでいたが、結局、佃製作所の企業調査を行いその結果で供給を受けるかどうか判断するということになった。一方、佃製作所内部も特に若手社員を中心に、特許を譲渡してその分を還元してほしいという声が上がっていた。
そうした中、企業調査がスタート。厳しい目を向け、見下した態度をとる帝国重工社員に対し、佃製作所の若手社員は日本のものづくりを担ってきた町工場の意地を見せる。

銀行系の小説で有名な池井戸さんの145回直木賞受賞作です。ずっと気になってから読めないままでしたが文庫化されたので読んでみました。空飛ぶタイヤや鉄の骨といったノンフィクションに近い小説を出しているのですがこの話はオリジナルとのこと。中小企業の資金繰りの厳しさというのはほかの小説でも描かれていることですがこの小説は根本的な技術開発という点に着目したところがポイント。
大企業のように潤沢に研究資金を投入できるわけではない状況で技術をとるのか実業を取るのかという厳しい決断を迫られ、あらためて原点に立ち返るという技術者にとっては少し、胸に突き刺さるような話です。企業間の争いでありながら大=悪という一貫した視点ではなく担当者の中には畑製作所よりの人もいれば畑製作所内でも1枚岩になれずにいるという人間らしさというか多様性のある一面も見せているのは生々しくもありますがこの話の奥深いところです。もちろん世の中には技術や研究を追求して潰えた会社も多数あるとは思うので何とも言えないところはありますがエピローグで技術者の夢の集大成が描かれており多少苦しいことはあっても夢を追求する素晴らしさというのを改めて認識させてくれる話でした。 おすすめです。

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

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