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天地明察


さらに秋らしくなってきました。雨が降る度に気温が下がり、秋色が深まっていくようです。

天地明察
クリエーター情報なし
角川書店(角川グループパブリッシング)

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。即ち、日本独自の太陰暦を作り上げること–日本文化を変えた大いなる計画を、個の成長物語としてみずみずしくも重厚に描く
先日、「おくりびと」の滝田洋二郎監督で映画化された物語です。ただ小説の内容と映画では異なる部分(山崎闇斎が、改暦作業に渋川晴海の後見として活躍し…)と言う部分があるので小説の方も読んでみることをお勧めします。ほぼ実話であり江戸時代に囲碁士でありながら算術家であり、天文歴学者ともなった渋川 春海の人生をかけた暦改編の一部始終を記したものです。恥ずかしながらこの時代に暦がどのようになっていたのかなどは知る由もありませんでしたが今となっては当然のこととなってしまっているカレンダーや日食、月食、月の動きなどの正確な予測もここまでの苦労があったのだと感じさせられる内容でした。実際の渋川氏の性格はどのようだったのかは今となっては判らないのですが小説の中でも任務に対する真摯、謙虚な態度が非常に高官が持てました。(日本人が好きなキャラかも) 改暦作業を成功させたのは結局のところこの時代は暦に関する知識は遅れていたこともあり、渋川氏が中国を経由して取り入れた西洋天文学をいかにうまく取り込んだかと言うところに尽きるのでしょう。いままでの中国暦の輸入がうまくいかなかったのは今では当然のこととなった時差や経度差がこの時代に認識されていなかったと言うのが大きかったようです。 渋川氏が真摯な態度を持って得た大きな後ろ盾と英断があってこそのことだと思います。この暦は貞享暦と言う名前で呼ばれ初の国産暦となっています。
人生をかけた大仕事というのはロマンを感じます。
なお算術や暦の専門知識のところに関してはやや稚拙なところがあるのではと言う指摘もあるのでしょうがそうだとしてもこれだけのダイナミックな歴史物語を味わえるのはすばらしいことでぜひお勧めです。この物語を読んで果たして自分は人生をかけて残せるような仕事が出来ているだろうかと自省し、身が引き締まる重いでした。常に全力で取り組むことを忘れずにいきたいと思います。

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仕事は半導体デバイス開発。 趣味としているEnduranceスポーツと 日常の出来事を綴ります。

2 Comments on “天地明察

  1. 残せるような仕事
    「人生を賭けて残せるような仕事」、大きいですね。伊能忠敬も50歳から日本地図に取り組んだと言いますし、いつになっても熱い気持ちさえあれば可能性はありそうですね。

     私はもっと演奏がうまくなって、世話になった病院にいつか慰問演奏で訪れたいです。

  2. Unknown
    確かに年齢と言うのはほとんど関係無いように思います。いかに情熱とそれを成し遂げるための最低限の知識や技能を持っているかですね。

    仕事、トライアスロン、三線と夢は沢山あります。
    まずは仕事でこれをやったと言うものを残したいと思っていますが…

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